AI-Botに音声認識と音声応答の機能を追加しました。会話で対応します。

AS DESIGN ASSOCIATES Inc.(以下、当社)は、自社開発のAIチャットエージェント「Creative Design Assistant」に音声認識と音声応答の機能を追加しました。マイクボタンを押して話しかけると、聞き取った内容を音声で復唱し、回答の要点を読み上げます。

UI/UXの工夫

キーボード入力しなくていい、という利便性

チャットボットの入口には、意外と高い壁があります。「相談したいことを文章にまとめて打ち込む」という作業そのものが手間だからです。用件が固まっていないときほど、最初の一文が書けません。話しかけるだけなら、その手間が消えます。考えながら喋れますし、スマートフォンを片手に持ったままでも使えます。

さらに今回は、聞き取った内容を音声で復唱するようにしました。「ちゃんと伝わっているか」がその場でわかるため、送信してから見当違いの回答が返る、というすれ違いが起きにくくなります。しばらく声が入らなければ「テキスト入力をどうぞ」と案内してキーボード入力に戻るので、音声を強制されることもありません。

あえて「全部はしゃべらせない」

今回もっとも時間をかけたのは、機能を足すことではなく削ることでした。

「ご用件をどうぞ」「少しお待ちください」「回答をご確認ください」といった定型フレーズは、その場で合成せず、事前に生成した音声ファイルをCDNから配信しています。待ち時間がゼロになり、声のブレも起きません。

その場で合成するのは、聞き取り内容の確認と回答冒頭の概要文の二箇所だけです。
回答の本文は、あえて読み上げません。長い文章を音声で最後まで聞かされるのは、目で読むより遅く、途中で止められないぶん苦痛だからです。要点は耳で受け取り、詳細は画面で読む。この切り分けが、いちばん快適でした。

即応性にも工夫があります。AIの回答生成には数秒かかるため、確認用の要約だけを本回答とは別の軽量な経路で並行して取得し、送信直後に返せるようにしました。案内の再生が終わりきってから認識を開始することで、自分の声を拾う誤認識も防いでいます。
フレーズを絞り、鳴らす場所を選ぶ。結果として、無駄にしゃべらない応答になりました。

他サイトへの応用 ― ECの自動接客など

この仕組みは当社サイト固有のものではなく、応答の元になる原稿を差し替えれば別のサイトへ展開できます。

たとえばECサイトの自動接客。商品ページを見ながら「これのMサイズは在庫ありますか」と声で尋ねられれば、検索窓に打ち込んで探し直す手間が消えます。BtoBサイトでの見積り依頼の一次受け、不動産の条件ヒアリング、自治体の手続き案内など、「まず要件を聞き取る」工程がある場面とは相性のよい方式です。

介護・福祉の現場での可能性

ふつうに“話す”、そして“聞く”だけ。 問いかけの要点を復唱する。

音声チャットボットの本領は、キーボードとマウスが最大の障壁になっている方々に対してだと考えています。細かい文字が読みにくい、指先の操作が難しい、PCに慣れていない。こうした状況では、情報が載っていても届きません。声で用件を伝え、要点だけが音声で返る形は、その壁を確実に下げます。問いかけの要点を復唱する設計も、確認のやり取りが取りづらい相手ほど効いてきます。

現時点の仕様は実験的な機能です。実際の現場での運用にはさらに検証と改良が必要ですが、方向としては十分に見込みがあると考えています。

実装した技術について

音声入力にはブラウザ標準の Web Speech API を使用しています。マイクボタンのクリックが、マイク権限の取得と自動再生ロックの解除を同時に兼ねる設計です。非対応のブラウザではボタン自体を表示せず、従来どおりのテキストチャットとして動作します。読み上げには、訪問者のOSによって声が変わらないよう Google Cloud Text-to-Speech の Neural2 音声(日本語)を採用しています。

Creative Design Assistant は ai-agent.as-design.co.jp で公開しています。
実験的な機能のため、お気づきの点があればぜひお聞かせください。

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